「護られなかった者たちへ」感想
★★★★☆
中山七里の同名小説を実写映画化。東日本大震災から9年後の宮城県で起こった連続殺人事件を巡る関係者と刑事の姿を描くミステリードラマ。
ミステリーの真相とかどんでん返しのあるなしなどを語るのが不謹慎に思えるくらいシリアスな内容で、震災を経験した人々の心理描写や、人間関係の丁寧な描き方に惹き込まれました。
映画としてはちょっと重くてしんどい。被害者と加害者、両方の心理を探って行くので、共感したり反発したり、どうにもならないことに憤りを感じたり、それぞれの立場を想うと辛いものがありました。問題提起に対しての答えがはっきり見つかっているわけではないので、鑑賞後もいろいろ考えさせられます。いい映画かと言われると何とも言えないけれど、心にずしんと残るものがありました。
答えを見つけるためには、助けを求める側も助けようとする側も、声に出してちゃんと気持ちを伝えることが大事だと教えられた気がします。
出演者は全員演技が素晴らしく、特に佐藤健さんの演技がすごかったです。あの荒んだ目は忘れられませんね。何かの賞が取れるんじゃないかな?映画賞にふさわしいような作品だったと思います。
作品名 護られなかった者たちへ
カナ マモラレナカッタモノタチヘ
製作国 日本
時間 134分
公開日 2021年10月1日
監督 瀬々敬久
原作 中山七里
脚本 林民夫
出演 佐藤健 阿部寛 清原果耶
倍賞美津子 吉岡秀隆 林遣都 井之脇海
永山瑛太 緒形直人 黒田大輔 鶴見辰吾
三宅裕司 石井心咲 西田尚美