歌舞伎xフィギュア「氷艶」感想

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21日、22日、「氷艶 hyoen 2017 -破沙羅-」を観てきました。

二日連続で同じショーを観に行くのは人生初めてです。
昨日はA席(最後方に近い)、今日はアリーナ席でしたが、
両日本当に素晴らしい公演で感動の嵐でした。

私はフィギュアが大好きなのはブログでも時々書いていますが、
実は歌舞伎も好きで時々観に行ってます。
なので、歌舞伎とフィギュアスケートの競演と聞いた時から
もうこの日が待ち遠しくて、先行予約でチケットを買ってからは
ずーっと楽しみでものすごく期待していたんです。

そして、そして、
私の高まり過ぎた期待をはるかに上回るものすごいショーでしたよ。
今まで観たアイスショーとも競技会とも、歌舞伎の舞台とも違う、
これまで観たことのないショーでした。

すごいすごいという声があちこちから聞こえました。
何がすごいかというと、説明がたくさん必要です。

大がかりな舞台装置と、美しく独創的な衣装、
プロジェクションマッピングとライティングの演出、
音楽の迫力、ストーリー性、
歌舞伎の見せ場の多さと、スケーターの技と演技。
日本の芸術の奇跡の融合です。
演出の市川染五郎さん、天才だと思います!

スケーターの皆さんはアイスショーとは別の世界を見せてくれました。
着物をアレンジした衣装を着たままでのアクションや演技、
ストーリーを表現するお芝居、見事でしたね。

まず天井から現れた荒川静香さん、人間離れした美しさとオーラ。
本当に女神でしたね。紅天女ってこういう感じかしらと思いました。
織田信成さんも、イケメンでしたよ。着物に刀で舞う姿が高貴でかっこ良くて、
今までに見た色々な衣装の中でも一番似合ってる気がしました。
浅田舞さん、遠くから見ても近くから見ても可憐でキュートでした。
所作がきれいというか、役どころもあっていましたね。
村上佳菜子さん、後から出演が決まったとは思えないほど出番がたくさんありました。
表情豊かで表現力がある彼女には、こういうストーリーの中での演技は本当にはまりますね。
鈴木明子さん、アリーナ席から見た時目力にしびれましたっ。
恋する女性の柔らかさと戦う女性の強さの表現、さすがですね。
高橋大輔さん、昨年のラブ・オン・ザ・フロアの舞台では新境地に本当に感動しましたが
1年も経たないうちに、また全く違う新たな才能を見せてくれるなんて凄いです。
あのダンスシーン…A席ざわつきました。
見たことない動きと美しさに、違う人が出てきたかと思った人が多かったんです。

そして歌舞伎界の皆様。
とても伸び伸びと楽しそうで、初めての試みなのに余裕がすごいですね。
あの重い衣装で普段の舞台の何倍もあるスペースを走り回る体力はアスリート並み。
スケートにしても着物を着て小道具を持ったままですからすごいです。
歌舞伎は美しくてかっこいい!改めて感じました。
たぶん歌舞伎の舞台を観たことない人にも魅力が伝わったことでしょう。
歌舞伎のすばらしさに気づいてない日本人多すぎますからね。
こういうショーで歌舞伎ファンが増えたら嬉しいことだと思います。
(そして演目を観れば、また新たな発見がたくさんあります)

さらに忘れてはならないのが、DRUM TAOの和太鼓の演奏です。
前から一度観たいと思ってましたが、パフォーマンス、音、最高ですね~。
戦いの場面とぴったりあって本当にすごい盛り上がり。
和太鼓のリズムに体が熱くなるような感動がありました。

もう1つ、これだけでもショーになるというのがプロジェクションマッピング。
チームラボの手掛ける映像美も氷艶の魅力の一つです。
これはアリーナ席ではほとんどその良さが分からなかったので
A席から観ることが出来てとても良かったです。

歌舞伎の舞台というのは、いつも全体の色彩や構図が計算されつくされていますが、
今回の巨大な空間を使った演出はさすがでした。
縦にも横にも端から端まで空間を使っていて、
アリーナではどっちを観ていいのか迷う場面も多々ありましたからね。
A席で上から全体を観るからこそ感じられる完成度の高さもありました。
一番安くて暑いA席も、良い部分もあるんです。

二日間観れて本当に良かったです。
日曜日より月曜日の方が熱狂的なお客さんが多くて
盛り上がり方が違ったのも面白かったです。

珍しく長文で、熱く語ってしまいました。
いつもは読みやすいように短くまとめるのですが、
たぶん読む人はあまりいないだろうと思って思うままに書いてます(笑)

テレビで放送してくれたら嬉しいけれど、
舞台全体の演出と、一人一人の演技の両方を観るには
テレビではなかなか魅力を伝えるのは難しいかもしれません。

今回の公演で少しですが空席があったのは本当にもったいなかったと思います。
初の試みなので、どういうものになるか想像出来なかったからでしょうね。
チケット代が高いという声もよく聞かれてましたが、
実際は26000円でも全然高くなかったと思えるほど、観る価値がありました。
(そういう私も実は清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったアリーナ席でした)

また再演があるとすれば、絶対おすすめのショーです。
海外でもぜひ公演して欲しいです。

公演概要
氷艶 hyoen 2017 -破沙羅-
【会期】2017年5月20日(土)~5月22日(月)
【会場】国立代々木競技場第一体育館
【時間】5月20日(土) 12:00~/17:00~
5月21日(日) 12:00~/17:00~
5月22日(月) 13:30~/18:30~
【出演】市川染五郎、髙橋大輔、荒川静香、
市川笑也、澤村宗之助、大谷廣太郎、中村亀鶴、
鈴木明子、織田信成、浅田舞、村上佳菜子、
大嶋淳、鈴木誠一、蝦名秀太、佐々木彰生 ほか

【脚本】戸部和久
【演出】市川染五郎
【振付・監修】尾上菊之丞
【振付】宮本賢二
【演奏】DRUM TAO

【アーティスティックコンサルタント】VOGUE JAPAN
【映像演出】チームラボ
【チケット】アリーナ席: 26,000円、スタンドSS席: 18,000円、スタンドS席: 16,000円、スタンドA席: 9,000円、車椅子席: 9,000円