本「82年生まれ、キム・ジヨン」読書感想
「82年生まれ、キム・ジヨン」
チョ・ナムジュ (著) 斎藤 真理子 (翻訳)
韓国で100万部突破し、社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説。世界18か国・地域でも翻訳され、日本でも現在14万部を突破しています。
話題の本なので読んでみました。
普通の女性が、ある日突然家族や友人の人格が憑依したような振る舞いをする様子から始まる小説で、導入部分ではSFかファンタジーのような印象を受けましたが、そこはただの掴み。1982年生まれの女性キム・ジヨンの人生を綴りながら、男女不平等な世の中に訴えかける内容でした。
お隣の国の話なので、やはり日本とはそう変わらない日常が描かれているんですよね。キム・ジヨンの人生は、ほとんどの女性が共感してしまうことの連続。人生に立ちはだかるあらゆる男女差別について疑問を投げかけていて、著者の強い憤りを感じました。それで読んでるこちらも、こんな世の中はおかしいんじゃないかと改めて考えさせられるので、この本が社会現象を巻き起こすのもわかる気がします。
ストーリーは淡々としてるので小説としては少々単調でしたが、文章は読みやすかったです。日本と共通点も多い韓国の生活がよく分かって、興味深く読ませてもらいました。