「名もなきアフリカの地で」感想
★★★★
作品名 名もなきアフリカの地で
原題 NIRGENDWO IN AFRIKA/NOWHERE IN AFRICA
製作年 2001年
製作国 ドイツ
時間 141分
公開日 2003年8月9日
監督 カロリーヌ・リンク
原作 シュテファニー・ツヴァイク
脚本 カロリーヌ・リンク
出演 ユリアーネ・ケーラー メラブ・ニニゼ
レア・クルカ カロリーネ・エケルツ
マティアス・ハービッヒ シデーデ・オンユーロ
1938年、ナチスの迫害から逃れるためにアフリカのケニアに移住した少女レギーナの一家を描いた実話をもとにした物語。75回アカデミー最優秀外国語作品賞を受賞。
今作は実話をベースにしているからか物語はとても淡々と描かれています。
ユダヤ人の迫害を逃れてきた夫婦は、最初アフリカになかなか馴染めないだけでなく、どこかこの土地や人を馬鹿にしているように見えました。そんな両親の行動は理解しずらい部分が多くて、同情も共感も難しかった。
その代わり、すぐにアフリカの土地に馴染んだ娘と、現地で雇われた料理人オウアとの交流には心が温まりました。これまでと全く違う生活の中でたくましく生きる少女と、優しく見守るオウアの友情は美しかったですね。
そして時が経つにつれ、家族は土地に馴染み成長していきます。
特別ドラマティックなこともないけれど、ある家族が見知らぬ土地でこんな風に生き抜いていったんだという姿を観せてくれる映画でしたね。人それぞれ感じるものはあると思います。
監督は『ビヨンド・サイレンス』『点子ちゃんとアントン』の女性監督で、私はどちらも好きな作品。今作も合わせて3作品とも子供の描き方が上手い監督だなという印象を持ちました。