「線は、僕を描く」感想
★★★★
内容
砥上裕將の小説を実写映画化。水墨画と出会った青年が、水墨画を学ぶうちにその世界にのめり込んで再生していきます。
感想
原作を読んだときはとにかく水墨画とは何かを伝える小説だと感じましたが、映画の方は描くことそのものよりも人間ドラマに焦点をあてていた感じがします。
水墨画と出会い、その師匠やお弟子さんたちと出会い、自分と向き合って成長していく姿が静かに描かれていて、映像もストーリーも美しい映画になっていました。
原作の方はもっと危ういくらいに夢中で描きまくって修行を積んでいたので、映画はその辺りがさらっとしていて物足りなさを感じた部分があったのですが、その分会話などを増やして心の動きを丁寧に描いていたので全体の流れは違和感なく良かったと思います。
横浜流星さんは姿勢や所作がとても綺麗で、描く姿そのものが絵になっていたので、欲を言えばもっと筆を滑らせるシーンが観たかったところですけどね。水墨画は一筆だけでもかなり難しいらしいので、恐らく俳優さんたちは嘘のないように演技するためにかなり練習を積まれたのでしょうから、それはすごいことだと思います。
押しつけがましくなく、傷ついた心が癒されていくような素敵な作品になっていたと思います。水墨画のことをもっと知りたいなと思いました。
映画情報
作品名 線は、僕を描く
製作国 日本
時間 107分
公開日 2022年10月21日
監督 小泉徳宏
原作 砥上裕將
脚本 片岡翔 小泉徳宏
出演 横浜流星 清原果耶
細田佳央太 河合優実 川岸美嘉
矢島健一 夙川アトム 井上想良
富田靖子 江口洋介 三浦友和