「家へ帰ろう」感想
★★★★☆
作品名 家へ帰ろう
原題 EL ULTIMO TRAJE / THE LAST SUIT
製作年 2017年
製作国 スペイン=アルゼンチン
時間 93分
公開日 2018年12月22日
監督 パブロ・ソラルス
脚本 パブロ・ソラルス
出演 ミゲル・アンヘル・ソラ アンヘラ・モリーナ
オルガ・ボラズ ユリア・ベアホルト
マルティン・ピロヤンスキー ナタリア・ベルベケ
戦時下にナチスの迫害を受けた老人が、親友に会うためにアルゼンチンの現在の住まいを離れ、70年ぶりに故郷ポーランドの地へ旅するロードムービー。
主人公はとても頑固でちょっと自己中なおじいちゃん。ユダヤ人迫害を受けた過去のトラウマから、何が何でも(通り道なのに)ドイツに足を踏み入れたくないというのです。私がもしその場にいたら、何言ってるんだろうと意味が分からなかったかも。でも話を聞いて納得しました。70年と言う時を経ても癒えない、戦時中の悲しみや憎しみの深さを教えられました。
そんな重いテーマを扱いながらも、ユーモアを交えた旅の様子はほのぼのと観ることができました。過去に辛い経験をした場所で、温かい人々に出会えて良かった。旅の途中で何度もピンチになったおじいちゃんを助けてくれた人々の優しさには頭が下がる思いでした。
そして最後の出会いには胸が締め付けられました。何の説明もいらない。その表情ですべてが伝わって来ましたね。
自分は最後にどこで誰に会いたいだろうかと考えさせられました。人生の終盤になって思い返すのは、憎しみじゃなくて、優しさや絆だといいなと思います。