本「メアリー・ポピンズ」シリーズ全作の感想とまとめ

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先日映画の「メリー・ポピンズ リターンズ」を観たら子供の頃に大好きだったメアリー・ポピンズの本をまた読みたくなって、最近8冊すべて読み返しました。

こちらの7冊はすべて私が昔読んだのと同じ装丁の本を図書館で借りてきました。絵はすべて原著と同じメアリー・シェパードが描いています。
下の3冊は新たな翻訳・新たなイラストでの新装復刊が出ています。他にも別の人が絵を描いているものもありますが、私にとってはメアリー・ポピンズは絶対メアリー・シェパードの絵でなくてはダメ。他の絵ではまるで合ってないように感じてしまいます。

メアリーポピンズ

(もう一冊はこのページの一番下で紹介します)

読んでみて改めて思ったのが、大人になって読んでもやっぱり素敵な物語だということ。
1つ1つのエピソードに違った魅力があって、思った以上に奥が深くて、本当に素晴らしいです。
私はメアリー・ポピンズに大事なことをたくさん教えてもらいました。
映画しか知らない方にはぜひ一度読んで欲しいです。

新装版の方ではないので、ちょっと訳し方が古いなと感じる部分もありましたが、お気に入りの表現や感動したフレーズって忘れてないものですね。読んでいたら昔読んだときの気持ちを思い出してドキドキしました。

そしてメアリー・ポピンズがまた大好きになってしまいました。

子供の頃にはちょっと不満だったメアリー・ポピンズの厳し過ぎる面も、大人になってみれば理解出来ます。
夢のような出来事の後でも、浮かれずにしっかり現実に戻ること、人に言って回ったりしないこと、何が本当かはちゃんと自分で考えること、そんなことも教えてくれてたんじゃないかと思いました。

メアリー・ポピンズのシリーズは、1話ごとに完結していますが、話はつながっています。個性豊かなご近所さんたちや、童話や伝承に出てくる有名な人物も登場したりもして、強く印象に残ってる人がたくさんいます。同じ人が再登場したりするとすごく嬉しいんですよね。

 

自分のためのまとめですが、本の概要を紹介しておきます。目次ごとに簡単な内容を付けたしました。
著者のP.L.トラヴァースは、正確にはパメラ・リンドン トラヴァース(Pamela Lyndon Travers)です。

 


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「風にのってきたメアリー・ポピンズ」 – 2000/7/18
著者)P.L. トラヴァース 訳)林容吉 絵)メアリー・シェパード

内容
1934年にイギリスで出版された。東風に乗って空からバンクス家にやってきたちょっと風変わりな家庭教師(保母)と子供たちが様々な不思議体験をするファンタジー。

目次
1 東風
(突然風に乗ってバンクス家にメアリーポピンズがやってくる)

2 外 出 日
(マッチ売りのバートと絵の中に入って休日を楽しむメアリーポピンズ)

3 笑いガス
(メアリーPのおじさんのウィッグさんが笑って天井に浮かんでしまう)

4 ラークおばさんの犬
(飼い犬のアンドリューが友達の雑種犬ウィロビーを家に連れてくる)

5 踊る牝牛
(踊り続けて体を止められない牝牛が王様に助けを求める)

6 わるい火曜日
(その日は悪い子のマイケルが磁石を持って世界をぐるぐる回る)

7 鳥のおばさん
(シティに行って不思議な鳥のおばさんからハトのえさを買う)

8 コリーおばさん
(コリーおばさんとファニー&アニーの店に行って紙の星をもらう)

9 ジョンとバーバラの物語
(ムクドリとお話しする双子の赤ちゃん)

10 満月
(満月の夜の動物園でみんなで誕生日を祝う)

11 クリスマスの買い物
(家族にプレゼントを買いに来たプレアディス星団の女の子と会う)

12 西風
(風に乗って行ってしまうメアリーポピンズ)

※あとがきより
作者はロシア・バレーをやっていたことがあり、シェイクスピアの劇に出て舞台をふんでいたこともあるそう。
挿絵のメアリー・シェパードの父はくまのプーさんの挿絵画家アーネスト・H・シェパードですって。

 


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帰ってきたメアリー・ポピンズ– 2001/6/18
著)P.L. トラヴァース 訳)林容吉 絵)メアリー・シェパード

内容
1935年出版。メアリーポピンズがバンクス家を去ってしまってからうまくいっていなかったバンクス家。ある日突然帰ってきた彼女にみんな大喜び。再び子どもたちを不思議な冒険へとみちびいてゆきます。

目次
1 タコ
(タコに乗ってメアリー・ポピンズが帰ってきた!)

2 ミス・アンドリューのヒバリ
(お父さんの怖い家庭教師と、籠に入れられたヒバリ)

3 わるい水曜日
(その日は悪い子のジェインが飾り皿の中へ入っていく)

4 あべこべターヴィーさん
(思ったことと反対になってしまう修理屋のいとこ)

5 新入り
(新しい家族、アナベルの誕生)

6 ロバートソン・アイの話
(同様の中の王様とお話しした(使用人の)過去の物語)

7 夜の外出日
(空のサーカス団の演技場で星や太陽と出会う)

8 風船、風船!
(公園で買った風船で空へ)

9 ネリー・ルビナ
(体が木でできたネリールビナとドジャーおじさんが春を持ってくる)

10 メリー・ゴウ・ラウンド
(公園のメリーゴーランドに乗って去るメリーポピンズ)

※あとがきより
アイルランド人の父、スコットランド人の母を持つ作者。ケルト民族の伝承に深く関わって育ったそうです。

 


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とびらをあけるメアリー・ポピンズ
著)P.L. トラヴァース 訳)林容吉 絵)メアリー・シェパード

内容
1943年出版。2度去ってまた現れたメアリー・ポピンズ。また楽しい生活が始まって、子供たちは彼女にずっとそばにいて欲しいと願います。

目次
1 十一月五日
(ガイフォークス祭りの日に花火に乗って帰ってきたメアリーポピンズ。)

2 トイグリーさんの願いごと
(7つ叶う願い事を無駄遣いしてしまうトイグリーおじさん)

3 王さまを見たネコ
(勉強に夢中の王様に大切なことを教える猫)

4 大理石の少年
(公園の大理石の少年との友情と貴重な体験)

5 ペパミントの馬
(ペパミントキャンディーにまたがって空を飛ぶ)

6 高潮
(海の底で海の生き物たちのパーティーに参加します)

7 末ながく幸福に
(大みそかと新年のすきまでおとぎの国の人たちと出会う)

8 別の扉
(別の扉が現れてメアリーポピンズが去っていく)

※あとがきより
戦時中だったこともあり、挿絵のいくつか(主に第七章)はアグネス・シムスという人が代りに描いています。

 


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公園のメアリー・ポピンズ
著)P.L. トラヴァース 訳)林容吉 絵)メアリー・シェパード

内容
1952年出版。メアリーポピンズがバンクス家を3度訪れた間の出来事で、これまでの3冊に書かれていない話を集めた6つの短編。

目次
1 どのガチョウも白鳥
(自分じゃないものになりたいと願うものたちの昔話)

2 まことの友
(ライオンと警察官の兄弟の真の友情の話)

3 幸運の木曜日
(遠くに行きたいと願ったマイケルは猫の星へ)

4 物語のなかの子どもたち
(開いた本の中から飛び出してきた一角獣と子供たち)

5 公園のなかの公園
(ジェインが作った小さな公園の中へ入る)

6 ハロウィーン
(影を追いかけて影のお祭りに参加する)

※あとがきより
「マザーグースの童謡集」の中の登場人物がメリーポピンズのお話の中にはたくさん出てきています。

 


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メアリーポピンズAからZ 単行本 – 1984/5
著)P.L.トラヴァース  訳)荒 このみ 絵)メアリー・シェパード

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メアリーポピンズAからZ 単行本 – 2014/5/21
著)P.L.トラヴァース  訳)小池三子男 絵)サカイノビー

※2冊は同じ本です。

1962年出版。アルファベットのA~Zまでを1文字1ページずつでショートストーリーにしています。Aのお話はAから始まる単語ばかりを使って書かれているという、言葉遊びのようなもの。内容はそんなにありませんが、これまでの登場人物が出てきてくれます。
右からめくれば日本語訳、左からめくれば英語のまま読めます。単語の意味もあるので英語の勉強にも。

 


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さくら通りのメアリー・ポピンズ– 1983/12
著)P.L.トラヴァース 訳)荒このみ 絵)メアリー・シェパード

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さくら通りのメアリー・ポピンズ – 2014/4/19
著)P.L.トラヴァース 訳)小池三子男 絵)

※2冊は同じ本です。

「公園のメアリー・ポピンズ」から30年ぶりの1982年出版。妖精が出てきて魔法をかけるといわれている夏至祭りの宵の夜の公園での不思議なお祭りの様子が綴られています。お馴染みの登場人物が変わらぬ姿で公園に集まるのが嬉しいところ。懐かしいオールスターのお祭りって感じがしましたね。

 


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メアリー・ポピンズとお隣さん– 1989/4
著)P.L. トラヴァース 訳)荒 このみ 絵)メアリ・シェパード

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メアリー・ポピンズとお隣さん– 2014/3/15
著)P.L.トラヴァース 訳)小池三子男

※2冊は同じ本です。

バンクス氏の子供の頃の家庭教師ミス・アンドルーが隣に引っ越してきます。一緒に連れてきた子供ルティとの出会いと冒険が楽しいお話。
1988年出版。一冊一話の長編です。1934年出版の初期の頃と何も変わらない書き方なのが素晴らしいですね。続けて読んでも何の違和感もありませんでした。

※あとがきよりトラヴァース「子供たちにとって、一番大切なことは、できるだけ早い時期に、童謡や御伽噺、神話の世界に触れることだと思います。また童話は子供たちだけのものではなくて、大人も楽しめるものです」

 


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メアリー・ポピンズのお料理教室―おはなしつき料理の本 単行本 – 1977/4/20
著)P.L.トラヴァース 料理)モーリス・ムーアベティ 訳)鈴木佐知子 絵)メアリー・シェパード

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台所のメアリー・ポピンズ おはなしとお料理ノート– 2014/11/30
著)P.L.トラヴァース 訳)小宮由/アンダーソン夏代 絵)メアリー・シェパード

※2冊は同じ本です。

メアリーポピンズと子供たちだけで家で一週間過ごすことになり、みんなでお料理を楽しむお話し。日替わりでおなじみの人がお手伝いに来てくれます。

お料理のレシピは、正直言って料理本のように役に立ちそうではありません。でも私は子供の頃こういう本を見てよくお料理に挑戦したので、子供さんにおすすめです。
簡単な料理だと、パスタを茹でてバターを和えるだけの「パスタのバター和え」なんてものもありますよ。
それから昼食がメインで夕食は軽めというのは日本と違っていて驚きました。

 


以上、長々と失礼しました。
久しぶりに子供時代を思い出してメアリー・ポピンズに夢中になってしまい、まとめてみました。

たくさんの方におすすめしたい本です。


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